さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

習 作

 影

 水彩 + 色鉛筆 + アクリル


生きている人間などというものは、どうも仕方のない代物だな。
何を考えているやら、何を言い出すやら、仕出来すのやら、
自分の事にせよ他人事にせよ、解った試しがあったのか。鑑賞にも観察にも堪えない。
其処に行くと死んでしまった人間というものは大したものだ。
何故、ああはっきりしっかりとして来るんだろう。まさに人間の形をしているよ。
してみると、生きている人間とは、人間になりつつある一種の動物かな。


 ■小林秀雄.無常という事.新潮文庫より