さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

200ドルの命

  蟹 Ⅱ

  色鉛筆+ 20ⅹ 23 cm 2018年作


 3歳の時、米軍嘉手納基地で働いていた父が、基地内で車に轢かれて亡くなりました。保証金はたったの200ドルでした。
「母は『父ちゃんの命はたった200ドルだったよ』とよく言っていました。いまでも米兵による事件はよく起きるのに、基地に逃げ込めば手を出せない。孫の時代になっても、沖縄がこのままでいいのかと思います」


 国は、辺野古の米軍進基地建設を認めない沖縄県を提訴し「代執行」しようとしています。
「国が勝手にやるなどありえない。これでは植民地です。県民はみんな怒ってますよ。辺野古は軟弱地盤で、そもそも基地など造れない。そこに無駄なお金を2兆~3兆円もかけようとしている。それは国民の税金だとわかってほしい。困っている人が助けを求めても、簡単にはお金を出さないのに、防衛費のためには莫大なお金を使う。苦労して働いて納めたみんなの税金が無駄にされているんです。腹が立つんじゃないですか」


 ◆古謝美佐子(1954~ )沖縄民謡歌手
  ※某新聞記事から