さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

奇 跡

 コスモス Ⅱ(イメージ)

 水彩+ 色鉛筆   21.5ⅹ 30 cm


 なぜ一日一回変わらずにも回り続けているのだろうか。それは、宇宙には摩擦がないからだ。(中略)
 真空の宇宙では摩擦がないため、一度回転したものは永遠に回転し続ける。一度打ち上げて軌道に乗った人工衛星が燃料を追加しなくても地球のまわりを同じ速度で回り続けていられるのも、同じ理由だ。
 地球の自転は、24時間に一周だから、赤道付近では一日に4万時ロメートルほどのスピードで動いている。このスピードが速いか遅いかはさておき、24時間で1回転というスピードも、実は月が関係している。
    月ができたのは、今から45億5000万年ほど前のことだ。その頃の地球はまだ小天体との衝突を繰り返していて、あるとき火星ほどの大きさの天体と衝突した。そのときに斜めにぶつかられたため、その衝撃で大量の岩石が宇宙空間に放り出され、それがやがてひとつに集まって月になったと考えられている。(中略)
 また、月ができる前の地球は、もっと速いスピードで自転していた。5~8時間で1回転していたと考えられており、つまりは、1日は24時間ではなく、5~8時間だった。月ができ、月の力が地球の自転を遅らせる方向で及ぶため、24時間周期になった。
 もしも火星大の天体が原始の地球に衝突せず、もしも月が生まれていなかったなら、私たちの生きる世界はもっとせわしないものになっていただろう。というよりも、私たちは生まれていなかったかもしれない。


 ◆「文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る」より 


 人生には、二つの道しかない。
一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。
もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。


  ★アルバート・アインシュタイン(1879~1955)