さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

テリハボク

 台風一過、排水口へ流された照葉木の実たち

 色鉛筆+ 水彩  2012年作のリメイク


 本当の自分を探すために、誰かを求める。自分をもっと相手にしてほしいから、友人を求める。漠然とした安心を求めて誰かに頼る。なぜそうなるのか。孤独だからだ。なぜ、孤独なのか。自分自身を愛することにうまくいってないからだ。
しかし、そういうインスタントな友人をいくら多く持ったとしても、孤独の傷は癒されず、自分を愛するようにはなれない。ごまかしにすぎないからだ。


 自分を本当に愛するためには、まず自分の力だけを使って何かに取り組まなければならない。そこには苦痛がある。しかしそれは、心の筋肉を鍛える苦痛なのだ。


   ◆白取春彦「超訳 ニーチェの言葉」より


 おのれを愛することを学びおぼえよという命令は、きょうあすに達成できるようなことではない。むしろそれは、あらゆる技術のうちで、最も微妙な、最もこつと忍耐を必要とする、最終的な技術である。


ー自分の性格に「様式を与える」ということー(ニーチェ)
 ◆斉藤孝「賢者はかく語りき」より