さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

ことり

 瀕死の小鳥

 水彩+ 色鉛筆  2014年作のリメイク


空は鳥を
近くで飛ばしたり
遠くで飛ばしたり
けしつぶから消したり
空は鳥にそうしかしてやれなくて
我々は
「鳥が飛ぶ」
としかいいようがなくて


鳥よ
羽をまるごと外してみてくれないか
お前が空を滑れるのは
その我がもの顔加減は
羽があるから などと
そんなかんたんなことではないと
ぼくは思うのだ


 詩:川崎洋「鳥」


◆石垣りん「ユーモアの鎖国」より