さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

うじ虫

 群れる

 色鉛筆 + 水彩   リメイク作品


 人が求めるものは人それぞれなはずなのに、いつのまにか自分の欲望が他者に支配されていく。我々とはいったい何なのでしょうか。消費社会がますます栄えるための使い捨てのコマなのでしょうか。
 本当の自由とは「なきゃやっていけないもの」、すなわち必需品を増やすことではなくて、その逆、つまり必需品を減らしていくことなのだと思うのです。あれがなくても、これがなくてもやっていける自分を作っていくこと。
 もしモノがなくても、そしてお金がなくても幸せに生きられるとしたら、果たしてこれ以上の自由があるでしょうか。
私たちはもしかして、思い込みの世界を生きているのではないでしょうか。


◆稲垣えみ子「アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと」より