さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

花 畑

 コスモス

 水彩 + 色鉛筆    186 ⅹ 238 


ぼくらは
  孤独をはばかって
   やりきれなさのあまり
なにかの仲間に身を投ずる
すると 役立たずの友情の奴隷のきずなが
棺桶のふたまで つきまとってくる。


どの仲間も ばかげた具合にできていて
ある種の仲間じゃ 酒をのむばかり
   正気返るひまもない。
べつの仲間じゃ 衣服や女の話ばかり
またべつの仲間じゃ
  まるで思想論争はだしのおしゃべりばかり
しかし よく見ると
   どの仲間にも共通の性格‥‥‥
つまりは 暇つぶしの種々様々の形態だ!


あっちも
  こっちも さわがしい仲間ばかり‥‥‥
いったい幾つの仲間から ぼくは逃げのびただろう
     かぞえきれないくらい!
新しいわなにかかったと思うと ぼくはたちまち
そこに毛皮だけ残して
     とびだしてしまう。


おれはぬけ出たぞ!
  行途には荒涼たる
自由よ きみが待っている‥‥‥
  まったく きみがいなくちゃ やりきれない!


■エフトゥシェンコ詩集「白い雪が降る」より
  ※詩「孤独」から抜粋