さば 雲

友がひとりまた一人消えて思い出だけ残る。過ぎてしまえばこの世は残り少なく、今頃ひとりじたばたしている 。

不自由

 豚 舎(未完)

 水彩 + 鉛筆 + 色鉛筆     21x27 ㎝
 
 人が、自分の自由に気づこうとしないのは、ほんとは自由なんか欲しくないからである。ほんとのところは、自由になんかなりたくないのである。なぜなら、自由になったら、何もかも自分でしなければならないから、そのことをほんとは知っているからである。
 生きるも死ぬも、私の自由だ。
ああ素晴らしきかな、絶対自由、この絶対自由が、しかし人は深いところで怖いのである。生きるも死ぬのも自分の自由だなんてそんな怖い自由はイヤ、それで、生きるも死ぬも考えるのも、社会やら国家やらにまかせて不自由と言いつつ、じつは安心していたいのである。


 ◆池田晶子「残酷人生論」より


人は変わらない部分を持ちながら、変わっていく。
生きていくって、そういうことだろう !


 ◆伊藤守「大丈夫たいしたことないから」より